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『のどからあいうえお』斉藤洋作 偕成社

 絵本の好きな大人は、よく「ABCの本」を収集するが、私は「あいうえおの本」を集めている。安野光雅の『ABCの本』が好きだったので、同じ作者の『あいうえお』も欲しくなったのが始まりだった。

 「ABC」のほうが文字が少ないためか、どの本も、ことば集めに無理がなく、動物づくし、花づくしなど、美しい絵本がたくさんあるが、「あいうえお」は50音から4文字引いても46文字あって、全てのことばに納得できる絵本には、なかなか出会わない。

 その中で、この『のどからあいうえお』は特徴があって面白い。あいうえおを頭文字にすることばを集めるのではなくて、あいうえお、それぞれが一音で意味することばを集めている。「あ、は驚いた時口を開けるとでる音・・・」とちょっと逃げているが、以下、胃鵜絵尾/蚊木九毛子/差四巣背ソ♪・・・と、大人にもなかなか楽しめる。「ぬ」と「る」は思いつきません、ごめんなさいと謝ってしまっているのも正直で気持良いが、私は二つとも思いついた。作者に教えてあげようかしら・・・・

 子どもに絵本を読ませる親は、あまり良い親とは言えず、絵本は親が子どもに読んで聞かせるものである。だから、せっかく子どもが自分で読もうとしているときに、「汚しちゃだめよ。本は大切にしなさい」などという親は、悪い親である、と私は思っている。投げたり、踏んづけたり、本を本として扱わないのはいけないが、夢中になって読みふけって涎をたらそうが、大好きな絵に色を塗ってしまおうが、自分の本なら構わない。(図書館の本はダメよ) もう成人してしまった吾子が、幼い頃絵本に描いたイタズラガキをみると、天才画家になるのではないかと思っていた自分の親バカぶりを思い出す。

 この『のどからあいうえお』も、読んでいると、つぎつぎ色々なことばが頭に浮かんでくるから、親子で読みながら、余白に思いついたことばを書き加えてゆくのもいいと思う。
 ことばを紡ぎだしている斉藤洋も偉いが、それに絵をつけている高畠純もたいしたものだ。「差」とか「余」なんて、どういう絵を書いているのか、ちょっと覗いてみたい方は、せせらぎ文庫にどうぞ。