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『もじゃもじゃヒューシャンクス』カレン・ジョージ作・絵 鈴木出版

 たぶん昨年、FM軽井沢で紹介した本だが、東京の自宅から、携帯での紹介だったと思う。どうも絵の楽しさが、充分表現できなかった。 軽井沢駅舎の「さわやかハット」の中にあるFM軽井沢のスタジオで、宮尾博子さんの絶妙な話術に引っ張られていると、絵本の紹介も何気なく出来てしまうし、こちらのテーブルから、機材越しに絵本を見せながら喋っていると、「明るい色調ですね」等と、さり気なく、私の説明不足を補って貰える。プロなんだなあ!

 というわけで、カレン。ジョージの絵は、イギリス人らしい、シックな色調。たとえば表紙はヒュー・シャンプーという男の子の頭が、4分の1ぐらいを占めているのだが、迷彩服のような渋い茶色と緑が交じり合い、ピンクと黄色とグレイッシュブルーが、バラやレモンや小さな葉っぱになっていて、そのモジャモジャと絡まった丸いものが、もつれたアフロのようになったヒュー・シャンクの頭で、よく見ると、小さなかたつむりや、けっこう長いミミズも数匹、髪の中に潜り込んでいる。無邪気な男の子の顔が半分覗いていて、上品なサーモンピンクのTシャツを着ている。背景は、ちょっとくすんだ空色・・・といった具合。

 シャンプーという苗字なのに、ヒューくんはシャンプーが大嫌い。絶対に洗わないと決めているから、ヒューくんの頭は、いつも、もじゃもじゃ、くしゃくしゃ、べっとべと! パパやママが、上からお湯をかけてしまおうとすると傘をさして防ぐし、クシでとかそうとすると、ヘルメットをかぶってしまう。パパとママは美容師さんで、家は美容院だったから、二人はおお困り。

 あるときパパとママはコンテストに出場しようと、モデルを募集。おとなりの長い髪のイケガキサンがモデルに決まる。ところがコンテストの当日、生垣の前を通ったイケガキさんのアップにした髪を、反対側から生垣を刈っていたおじさんが、生垣ごとバッサリ! あーあ、コンテストに出られない。留守番していたヒュー・シャンプーは、出場できなくなったことを、ママに伝えに会場へ。

 バラの茂みをかき分け、原っぱを突っ切って、ドライヤーで吹き飛ばされてるようなスピードで駆けていった。発表ギリギリにパパとママの傍に行ったヒューを見た審査員は、「こんな髪型は見たことがありません」と、シャンプー家の優勝を宣言。

 優勝カップを抱えて寝ようとしたヒューの頭から、原っぱでくっついた虫やベトベトしたものが出てきて、気持ちが悪くて眠れない。シャンプーしてよ!と叫んだひゅーの頭を洗って、これでパパとママの夢が叶いました、というお話。

 どのページも、ヒュー・シャンプーのもじゃもじゃ頭が、色とりどりで美しく、可愛らしい。シャンプーしなければよかったのに、と思ってしまうほどだ。