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『There was a knock』星新一作 講談社インターナショナル・『クリスマス・イブはおおさわぎ』エリナ・ヴァルスタ作 (株)ワールドライブラリー刊

 12月6日のFM軽井沢では、神保町の古本屋街で「矢口古書店」をレポートして、すっかり古い本が懐かしくなってしまった。そこで月刊『海外子女教育』誌2月号では、星新一の英語版 『There was a knock』(講談社インターナショナル)を紹介しようと張り切ったのだが、原稿を書きかけて、念のためにネットで調べたが、なんとなく過去っぽい。そこで奥付をみると、初版が昭和59年。61年の版を買っていた。電話番号は東京なのに局番が3桁!悪い予感がしたが3を頭に着けてかけてみると、講談社の本社が出た。 インターナショナルは社名も講談社English Libraryにかわり、星新一の英語版は一冊もないと言う。
 子どもたちが読みなれている本だからこそ、英語版も気楽に読める。星新一の文章は短くて簡潔なので、英語に訳しやすい。従って、子ども達にも読みやすい。外国人の書いた小説よりも、いまだに日本の子どもたちに読み継がれ、小さい子どもたちからも愛されている星新一の短編の英語訳をどんどん読めば、日本の中学生の英語力が、どんなに伸びるだろうと思うのに。特に軽井沢高校の子どもたちに!

 というわけで、星新一はあきらめて、2月号の「子どもの本棚」は、原田マハの『ジヴェルニーの食卓』にした。
時間的に、今ならクリスマスの本について書きたいが、雑誌は2か月前に原稿を出すのだから仕方がない。12月号は『12支のおせち』という川端強の絵本を紹介してしまった。そのかわりFM軽井沢「魔法使いの本棚」では、思いっきりクリスマス!『クリスマス・イブはおおさわぎ』(World Library)を紹介した。

 この本も、『ジヴェルニー』も、実は渡辺万里先生からのプレゼント。ついでに?ワインまで戴いてしまった。もちろんクリスマスまでは、飲みません!で、この本の何が気に入ったかというと(この肝心なポイントをFM軽井沢では話しそびれてしまったのだが)、見開きで、つまり物語の始まる前に、「ブタさんの、アドベントカレンダーのつくりかた」が書いてあるところ。ほら、クリスマスまで毎日、ひとつずつ小さな窓を開いていくカレンダーがあるでしょ、あれの作り方です。
時々、紀伊国屋などで売っていて、ほしいな、と思うのだが、3週間余りしか使わないカレンダーというのも贅沢な気がして、横目で通り過ぎた。
今度こそ自分で作ってみようと思っている間に、もう今夜はイヴイヴイヴ!今年は間に合わない。

 カレンダー作りだけで、この本を紹介したかったわけではない。サンタクロースの国フィンランドで作られたクリスマスブックは、フィンランドならではの視点で、クリスマスを描いている。フィンランドにサンタクロースファクトリーがあるのは、みんな知っている話。クリスマス用のおもちゃ工場があり、世界中の子どもからの「プレゼントのお願い」を取り扱っていて、サンタさんにお手紙を書くと、なぜか、ちゃんと日本語でお返事が来る。私なら、ちゃんとフィンランド語で書くのにな。日本語訳を添えるならいいけど、初めから日本語で書くのは、いくらセイントでも、子どもたちはがっかりするだろう。あら、なんだか悪口になってきたかな・・・
大体、毎年、新しいサンタさんを選んだり、世界中からサンタさんが集まって会議を開くなんて、余計なお世話だ。国を挙げての商業主義で、子ども達の夢を壊す、というか、「サンタクロースなんてほんとはいないのよ」という賢し気な嘘を、世界中に広めてしまった。
その上、今この本を買うと、いろいろと余計なものがついてきて、1000円くらい高くなる。本は本だけで、きれいに包んでくれればそれで良い。

 とはいえ、この本が悪いわけではない。この絵本自体は、とても面白い。ちゃんと、ほんとのサンタさんと、サンタさんの格好をして仕事をしている人たちが分けられている、その上で、サンタさんのディテールが、小さな字でたくさん書かれている。奥さんの名前は「ムオリ」、飼っているブルドッグみたいな犬は「ミョクシュ」。トントゥ偵察隊、という小人達がいて、日本の忍者みたいな恰好で、世界中の状況を探っている。おまけに今年のサンタさんは、洗濯係のミスで、ピンクの装束で現れる。でも、サンタさんのデザイナーに言わせれば、ピンクは来年の流行色だから構わないのだそうだ。
Merry Christmas!



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