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2020年9月 2日

『ふしぎな500のぼうし』ドクター・スース作 わたなべしげお訳 偕成社

 ダーウィン王が治めるデイッド王国に住んでいるバーソロミュー・カビンズという男の子は、おじいさんがかぶり、お父さんが被った古い赤い帽子を1つだけ持っていて、1本だけ羽がピンと突っ立っているその帽子が大好きだったので、その日も、その帽子を被って町までツルコケモモを売りに行った。すると通り過ぎた王様の馬車が戻ってきて帽子をとれ!と怒鳴られる。バーソロミューはもうとっくに帽子は脱いでいるのに、と思うのだが手にも帽子を持っているのに、頭の上にもある。両手に帽子を持っても、まだひとつ頭の上にある。ダーウィン王はカンカンになって、バーソロミューをお城に引っ立てィということになる。ところが隊長の馬に乗せられて走る間にも、帽子はどんどん風に飛ばされ、次々頭の上に現れる。王様に出会ってから、王様の前でもう1度帽子を脱いで、次々と周りに転がった帽子を数えると135個になった。王様は帽子屋を呼んで脱がすように命じるが、また生えてきて、三代の博士を呼んでも役に立たない。王様の甥のウィルフレッドという悪い子が、弓の練習に帽子を射落とそうとするが落とされた帽子が154に増えただけ。とうとう首を切られることになって、バーソロミューは帽子を自分で脱ぎながら地下牢への石段を下りるが、首切り役人は、王様の作った規則で、帽子を脱いだ人の首しか切れない、という。
 せっかく助かるかと思ったのに、甥っ子のウィルフレッドは高い塔の上から突き落とせば良いと提案して、塔の上に連れてゆく。バーソロミューは347個から、また数えながら塔の石段を上ってゆくが、451番目から帽子の羽が増え始め、ウィルフレッドがまさに突き落とそうとしたとき、500番目の見事なダチョウの羽の帽子が現れ、王様は500枚の金貨で、その帽子を買い取る、という話。・・・簡単に言うとね。これでも。

 絵本というより、イラストの多い読物と言いたい文章量なのだが、渡辺茂男の訳で、するすると読めてしまう。子ども達に人気のあるドクター・スースの絵は、帽子の赤だけに色がついて、次々と生まれてくる赤い帽子が楽しい。50年以上も子ども達に愛されているドクター・スースの絵本は、どの1冊をとっても、物語に類似性がない。すぐにシリーズ化してしまう日本の絵本作家は、作家自身が悪いのか、出版社が悪いのか・・・・。

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