『新・日本昔話』西本鶏介作 小学館

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 昨日、9月13日のFM軽井沢では『一日一話読み聞かせ 新・日本昔話』西本鶏介作 小学館 を紹介した。15年も前の版なのでまだ絶版になっていないかどうか心配なので問い合わせ中。
 近頃は、良い本に限って絶版になる。というより、どうでもいい本が簡単に出版されてしまうから、良い本があおりを受ける。あ、昨年頃、『海外教育』誌の「子どもの本棚」でもこの本を紹介しているが、絶版ではないという話だった。・・・・と思うけど。(確認の結果、出版社に在庫あり。1~3巻) 

 『新・日本昔話』は25の昔話が、見開きの2,3ページに一話ずつ、読み聞かせに丁度良いように並べられている。「ぼたもちのくいにげ」という山伏が、ケチなおじいさんおばあさんをだます話など、あまり聞いたことのない話が並んでいて、オリジナルかなと思うと、「○○県に伝わる昔話」と最後に但し書きが着いている。こうなると、地域ごとに、同じ県をまとめて編集したくなるのだが、この本が読み聞かせに良いのは、並べる順がちゃんと考えられていて起伏に富んでいるからで、読み聞かせている側も、充分楽しめる。

 西本鶏介という作家は、まだ現役でジャンジャン新しい絵本を書き続けてくれているが、こういう良い本は絶版にしてほしくないなあと思っている。近頃は古い本をそのまま版を重ねるよりも、版を新しくして出しなおすことが多いが、必ずしも良くなっているとは限らない。

 9月12日のせせらぎ文庫はすごい雨で、真柄さん一家が来てくれただけだったが、前の週の何かのイベントでいたずらっ子が迷い込んだようで、折紙が目茶苦茶になっていた。始めは折紙の箱が片付けられていてムッとしたのだが、ひとつずつ取り出してみると、犬の尻尾が垂れていたり、ウサギの耳が3本になっていたりする。3本目の耳を折り線どおり折ると顔になる。大きな花車も切れているし、小さな指輪もリングが外れている。でも、苅田さんの折紙は折目がしっかりしているので、そのとおりに折ると、ちゃんと元の姿になる。

 どんな子どもが、こんなにマメに折紙たちの姿を変えてくれたのだろうと、その子の姿を思い浮かべながら折紙を直しては並べ替えていたのだが、いたずらっ子が、そんなに折紙に興味を持ってくれたことが嬉しくて、お母さんがあまり叱らないでくれたらよいけれど、とちょっと心配。もう文庫の部屋が嫌いになってしまうと寂しいから。楽しくて、さっそく刈田さんに電話で報告してしまった!

 来週も、再来週も、せせらぎ文庫を開きます。