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2008年6月

2008年6月14日

今日はせせらぎ文庫

 突然ですが、今日、11時から2時まで、せせらぎ文庫を開きます。

 月刊誌『海外子女教育』の「子どもの本棚」に毎月4冊の本を紹介するのが「国際子ども文庫の会」の第一の仕事ですが、その本選び、決定、が10日から15日頃まで、それに関するコメントを書くのが20日から25日。ゲラの校正が月末から5日頃まで、というスケジュールです。毎月のことですから、流していれば良いのですが、4人が一冊ずつ分担して、あたかも一人が4冊分書いているように文章を揃えるので、毎月どこかで引っかかり、最終校正をしている編集部に電話を入れる、というギリギリの状況に追い込まれたりもします。

 今月はそのうちの一つ、リファレンス欄でとりあげる『ぶす』で、まずひっかかりました。同名の絵本が2社から出ているから、両方取り上げてみないか、と編集部からサジェスチョンがあったのです。そこで担当がスナオな人だったので、(私だったら断るのですが)22行のところを、表紙写真が2冊分だからと更に2行減らされて、16字×20行で2冊の本を紹介するという離れ業をやってのけました。出来上がるまで、リーダーの吉沢さんと私が、ああでもない、こうでもないと、口を入れたのは言うまでもありません。もともと「子どもの本棚」は、本を紹介する欄ではなく、良い本を薦める欄なのですから、2社から出ているなら、良いと思う方を薦めるのが、本来の姿なのですが・・・

 因みに、あとの3冊は吉沢さんが担当した『としょかんライオン』という楽しい絵本と、私が担当した絵巻絵本『新・恐竜たち』(くろかわみつひろ作!)ですが、もう一冊の『くまのパディントン』のゲラで、今また引っかかっています。文章が、一部変えられていたのです。勿論悪意ではなく、良くしてくれたつもりなのですが、イニシャルだけとはいえ、一応記名原稿なので、勝手に変えてはいけないはず。若い編集者には、しばしば、意味無く自分の文章に変えたがる人がいるのが、悩みの種です。一時は「誰が変えたの?」と噛み付いていたのですが、結局、編集部の心優しい担当者を悩ませるだけなので、近頃は大人しくしています。ストレスは溜まりますけれど。

 というようなことが色々あって、ブリスベンの南十字星文庫に図書カードを運んでくださるミスター真柄にも、受け取る側の入江さんにも、連絡の遅れで御迷惑をかけたのではないかと心配しています。

 他には、来月に迫った「せせらぎ文庫フェスタ」の準備、宿の予約。ポスターとチラシは、見かねた川口順子さんが手伝って下さいました。私事ながら、親の法事を今年は「偲ぶ会」に企画したり。
以上、長々と書いたのが、今日のせせらぎ文庫を前もってブログに書けなかった言い訳で~す。

『のどからあいうえお』斉藤洋作 偕成社

 絵本の好きな大人は、よく「ABCの本」を収集するが、私は「あいうえおの本」を集めている。安野光雅の『ABCの本』が好きだったので、同じ作者の『あいうえお』も欲しくなったのが始まりだった。

 「ABC」のほうが文字が少ないためか、どの本も、ことば集めに無理がなく、動物づくし、花づくしなど、美しい絵本がたくさんあるが、「あいうえお」は50音から4文字引いても46文字あって、全てのことばに納得できる絵本には、なかなか出会わない。

 その中で、この『のどからあいうえお』は特徴があって面白い。あいうえおを頭文字にすることばを集めるのではなくて、あいうえお、それぞれが一音で意味することばを集めている。「あ、は驚いた時口を開けるとでる音・・・」とちょっと逃げているが、以下、胃鵜絵尾/蚊木九毛子/差四巣背ソ♪・・・と、大人にもなかなか楽しめる。「ぬ」と「る」は思いつきません、ごめんなさいと謝ってしまっているのも正直で気持良いが、私は二つとも思いついた。作者に教えてあげようかしら・・・・

 子どもに絵本を読ませる親は、あまり良い親とは言えず、絵本は親が子どもに読んで聞かせるものである。だから、せっかく子どもが自分で読もうとしているときに、「汚しちゃだめよ。本は大切にしなさい」などという親は、悪い親である、と私は思っている。投げたり、踏んづけたり、本を本として扱わないのはいけないが、夢中になって読みふけって涎をたらそうが、大好きな絵に色を塗ってしまおうが、自分の本なら構わない。(図書館の本はダメよ) もう成人してしまった吾子が、幼い頃絵本に描いたイタズラガキをみると、天才画家になるのではないかと思っていた自分の親バカぶりを思い出す。

 この『のどからあいうえお』も、読んでいると、つぎつぎ色々なことばが頭に浮かんでくるから、親子で読みながら、余白に思いついたことばを書き加えてゆくのもいいと思う。
 ことばを紡ぎだしている斉藤洋も偉いが、それに絵をつけている高畠純もたいしたものだ。「差」とか「余」なんて、どういう絵を書いているのか、ちょっと覗いてみたい方は、せせらぎ文庫にどうぞ。