12月7日のせせらぎ文庫とFM軽井沢

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 昨日、7日の軽井沢は、雪こそ降っていませんでしたが、とても寒い朝でした。寒さの中でぼんやり目を覚まして、パジャマに茶羽織をはおって小鳥に餌をやり、ヒーターの温度を上げて小鳥を見ていると、あっという間に時間がたってしまいました。

 身支度をして、荷造りをして、水道の元栓を締め、アチコチの電源を抜いて出かけたのは、もう10時10分前になっていました。それにしても夏の間は、10分足らずで歩けたのに、15分もかかってしまいました。ひざの痛みの所為なのか、年をとったのか、それとも霜柱がまだ凍っていて地面が硬かったからか。私は、新築工事が終わるたびに、建築会社が撒き散らすガラ石が靴に突き刺さって、歩きにくくなった所為だと思っています。

 足は痛いし息切れはするしで、公民館についたとたんに、入口の小さなベンチにへたり込んでしまいました。弁解めくのですが、そこで座り込んでしまったおかげで、「せせらぎ文庫、開いてま~~~す」の札を、展示窓に張り出すのを忘れてしまいました。もしも公園の入口あたりから公民館の入口を見て、あ、今日は札が出てないからやってないんだ、と思って帰ってしまった方があったらごめんなさい。

 ワイルダー作、大草原の小さな家、のシリーズ5冊を整理しました。その前に真柄さんとこの本の話をして、真柄さん自身も、その友人もこの本が好きだけれど、彼女の子どもも、その友人の子どもも、この本が面白くは感じられなかった、とのことでした。

 これは親子の間で、よく起きる問題で、親は自分がその年頃に面白いと思った本を子どもに薦めているのに、子どもにとっては、つまらない本だ、という現象です。これは、年月とともに、日本語のテンポや感覚が変わってくる事が原因です。
 例えば現在の祖父母の年代、アラシィ?(60代)にとって明治文学は、少しことばは古くても、『ぼっちゃん』(夏目漱石)や『金色夜叉』(尾崎紅葉)は、それなりに面白く読める作品だけれども、親の年代(30~40代)にとっては、古典文学のようなものです。ストーリーの面白さ以前に、馴染みの無いことばや、遠まわしな表現に振り回されて、楽しむことが出来ません。

 同様に『大草原の小さな家』も『フランダースの犬』も、今の子ども達にとっては、手を伸ばすのに勇気が必要なのです。だからといって、物語そのものがつまらないわけではありません。
 例えばロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』(評論社)のように、新しい訳とクウェンティン・ブレイクの新感覚の挿絵ですっかり生まれ変わっているものもあります。『秘密の花園』や『星の王子様』も新しくなっているので、ぜひ、手にとってみて下さい。(せせらぎ文庫には、まだないのですが・・・)

 7日のFM軽井沢では、高校生などのクリスマス劇のための脚本集『空の鳥を見よ』(松岡励子作)、クリスマスの定番『さむがりやのサンタ』(レイモンド・ブリックス 福音館書店)、新しいクリスマスリドル『どうしてクリスマスには・・・』(文研出版) の3冊を紹介しました。
 次回は、私のとっておきの一冊をご紹介し、あとは何冊か題と作者と出版社を列挙したいと思います。
次回というのは、つまり、12月14日のことです。それではまた。おやすみなさい。