『森の謝肉祭』 舟崎克彦文 野村直子絵 パロル舎刊

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 3月22日は、『森の謝肉祭』の出版記念会だった。恵比寿の駅から徒歩5分ほどの、Malleという小じんまりしたギャラリーだったが、なぜか森の中の喫茶店のようなぬくもりがあって、作品の雰囲気に良くあっていた。美しい女性がいると思ったら、画家の野村さんだった。誰も紹介してくれなくても、壁に並んでいる作品を見ればすぐわかる。やがて舟崎先生が現れて、紹介してくださった。その会には当然のことながら?出版元のパロル舎の社長もみえていて、いろいろな話を伺うこともできた。有意義な一日。

 さて、この絵本は子どもにも楽しいが、大人にはさらに面白い。
森の家に引越してきたマリィちゃんのもとに、いろいろな動物たちがおとずれる、という筋なのだが、赤頭巾と狼、というか、不思議の国のアリスというか、一風変わった雰囲気がある絵本である。

 訪れてくる動物たちはネズミ、ウシガエル、ウサギ、ネコの面々だが、みんな食べてしまいたいほどかわいいマリィちゃんを一口食べてみたいと思っている。
 どのページも野村直子の精緻な筆づかいでこの世のものとは思えない美しい世界を描き出している。とりわけ「なんだか へんなヒトたちばっかりね・・・」の一言で始まるページのマリィちゃんが美しい。この絵が見たい方は購入していただく他はない。