DoDaDancin' 槇村さとる作 集英社

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 昨日の日曜日、FM軽井沢「魔法使いの本棚」は、数学教育学会で反響があった、という話から始まった。大阪教育大で、絵本作りを教育手段に取り入れているとのことで、作品集、というより、論文集のような体裁で、4年分の作品集を読むことができた。いずれも新鮮で、力作ぞろい。すぐにでも絵本になりそうな作品もある。

 近頃の若者は読解力に欠けるとわかっているのだから、高校生の数学指導にも絵本を使ってもらえば、もう少し日本の数学のレベルが上がるのではないだろうか。普通に考えれば、普通の教科書の代わりに絵本を使うといえばレベルが下がると見るのだろうが、漫画と違って優れた絵本なら、プラスアルファーの力が大きい。そこまでわかってもらえたかどうか、多少不安だが、リアクションがあっただけでも嬉しいのに、送られてきた絵本の卵が、かなり大きくて養分も溢れていたのがとても嬉しかった。

 放送のあとバレエを見に行くので、バレエにかこつけて初めての漫画、バレエ漫画の 『DoDaDancin’』 を取り上げた。一緒にバレエを見に行く友人がまとめて貸してくれたもので、アキレス腱を切った入院の2週間に9巻まで読み、今回は続編の「ヴェネチア国際編」という国際バレエコンクールへの練習風景、8巻のうち6巻までを読んだ。
 バレエ漫画は、本当に絵が大切で、トウで立っているのにあり得ない重心で描かれていたりすると、見るだけでしらけてしまうが、槇村さとるの絵は、いかにもバレエ的で、写真よりも躍動感があり、素直に楽しめる。

 子どもを漫画しか読まないような子にしないために、一時的に飽食状態にするのも良いと話したのだが、それには家庭ぐるみの協力が大切。我が家がその点成功したのは、家族4人が揃って同じ本の読み回しをした点が良い結果につながったと思う。どんな分野の本でも親が読まなければ、子どもに良い読書習慣をつけるのは無理。

 放送を終えて、久しぶりにジゼルを観に行った。5大バレエの中では小品ながら、私の一番好きな曲だ。村娘のジゼルが、幸せな気持ちで占う花占いと、恋人に裏切られたと知って、心を狂わせて繰り返す花占いの仕草と、霊になってから踊る同じフレーズの曲が、いつまでも心に残る。

 五反田のゆうぽーとホールは劇場として落第!足弱な人に冷たくて、見上げるような外階段の横のエスカレーターは下りのみになっている。同じビルのホテル側からも入れないように、ホテルのエレベーターは嘗てはつながっていたゆうぽーとホールの階には止まらなくなっている。
 中に入ると案内人も不親切で、私が荷物と格闘しながら劇場内の階段をがくんがくんと降りているのに、足が悪いと誰でもわかるのに、澄まして懐中電灯で照らすだけで、持ちましょうかと声もかけない。あんなホール、もう見に行くものかと思うけれど、5月22日、23日と『眠れる森の美女』があり、アントン・慶が魔女カラボス役を踊るというから、うーん、カートを置いて、杖を持ってでも観にゆこう。