ロンドン怪盗伝 筑摩書房

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 また御無沙汰が続きました。体調は回復しつつありますが、日々の予定を消化するのが精一杯で、ブログに書き込む余力がありません。でも、まあ、ボツボツ・・・

 15日の日曜日、朝早く次男の一家が東京に帰ったので、お陰で一日がすごく長くて、いろいろなことが出来た。小鳥に餌をやったり、現れた虎ネコ(5年以上前に、軽井沢でいなくなったトリッチ・トラッチ・ポルカ 通称トラッチにそっくり)とことばを交わしたり、中軽井沢駅まで歩いて、いつもの2時の列車に乗って、FM軽井沢へ。

 11日に、古書店追分コロニーで見つけた冒頭の本を紹介した。作者の野尻抱影先生は、なぜか小学校の時、一時的に?校長先生だった。ある日の昼休み、突然教室に現れて新しい校長先生だと紹介され、みんなと一緒に給食を食べて、ひとことふたことことばを交わし、それっきり、なんの思い出もない。私が虚弱児で(誰?笑っているのは)出席日数が足りないくらい休みが多かったから、ずいぶん損をしているのだけれど、野尻先生の思い出が、この日しかないというのもそのひとつだ。

 この『ロンドン怪盗伝』というのは、野尻抱影の本という4冊のシリーズの4冊目で、なぜかこの一冊だけ星の話が出てこない。内容も私にとっては懐かしいテーマばかりで、ロンドンの地名が次々出てくるのも当然そうだが、小学生の頃読み耽っていた『宝島』の翻訳についての話が出ているのも嬉しい。

 私の読んだ講談社版では「10と5人で棺おけ島によお~、流れ着いたがラム酒はひと瓶よ、ヨッホホのホイ」という訳で、この歌が印象的だったのだが、まさにこの翻訳についての話で、おまけにこの歌を野尻先生ご自身も、勝手な節をつけて歌っていらしたという。「も」というのは私も自分で節をつけて、良く歌っていたから。もうひとつおまけに白状すれば、この歌詞のお陰で『15少年漂流記』と『宝島』のストーリーが完全に混ざって記憶されてしまったのだ!

 この話を始めたら、FM軽井沢の宮尾さんも「なつかしいぃ」と天井を仰いでいたが、この分厚い一冊、読む人によってだろうが、多くの人にとって懐かしい本になると思う。

 FM軽井沢から帰宅して荒木さんに電話すると、今日の藤井さんのオペラコンサートは16時からだと言う。例によって午後6時だと思い込んでいたので、慌ててそのまま飛び出した。藤井さん以外の若い2人の歌手は、多少練習不足気味で残念だったが、藤井さんの企画、選曲、MCが良くて、来年も参加したいと、みんなに思わせる会になった。『さだこ』から作曲された「祈り」という曲を歌われたが、できれば絵本の『さだこ』の読み聞かせを入れたほうが良い。意外に読まれていない絵本だから、知らない人も多いので。