Tomie de Paola 編纂・イラスト『Book of Poems』

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 8月4日は、例年どおり、中央工学校南が丘倶楽部で軽井沢附属会があり、その立礼席で、茶道部OBの立場でお呈茶をした。テーマは北原白秋の「落葉松」など。
久しぶりに枕元に立ててある『白秋詩集』を取り出してみると、なんと、中学2年のときに購入した、とある。まだ7人目の初恋の人に出会ってもいない頃!(つまり大学1年にして、ようやく1人で外出できるようになり、7人目の初恋で初めてのデート。三省堂書店のパーラーで、アイスクリームを食べたのであった)

 
 詩集は常に、恋と共にあるものだと思っていたのだが、あの頃はあの頃なりに、恋をしているつもりでいたのかもしれない。恋というのは相対的な、つまり相手あってのものだと思うのだが、中学生の頃はただひたすらに相手が好きだというだけで、噂ばかりが広がって、3年間でトータル5分も話をしていやしない!でも、確かに One of My Type であったようで、息子達の父親は「中学生時代の初恋」の人と同じタイプで、顔立ちも体つきも性格も、今考えるとそっくりだった。初恋の君は健康優良児日本一だったし、結婚した相手は健康優良児東京代表と聞いた。やれやれ。

 今日のFM軽井沢は、健康優良児の話ではなく、Tomie de Paola の話だった!
大学の先輩であり、せせらぎ文庫フェスタの第1回から語りきかせをして頂いている金成正子さんが、フェスタの後で送って下さったのだが、子ども向きの、子どもが書いたかのような楽しい詩が、たくさん並んでいる。今、私は珍しく酔っ払って書いているのだけれど、数えてみたら88編くらいある。なかに2つHaikuというのがあって、「青蛙、おまえもペンキぬりたてか」(Gaki)というのと、「見つけたり、かわず(蛙)のへそのなきことを」(Yayu)、と原句と英訳が書いてあった。他のどの詩を見ても、子どもらしいユーモアと優しさに満ちている。訳してみたい、と思うし、読んでいるそばから、適切な訳語が心に浮かぶ。久しぶりに、まとまった仕事がしたくなった。

 でも、人生って、やりたいことより、やらなければならないことのほうが多くて、やらなければならないことを真面目にやっていると、やりたいことがどんどんたまってしまう。私はやりたいことは大抵やって悔いはないけれど、書きたい物語が山のようにたまってしまった。
 まあ、これから死ぬまでにいくつ書けるか、やれるところまでやってみるつもり。