『やぎや』長野ヒデ子作 スズキコージ絵 鈴木出版

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 明日のFM軽井沢、11時10分ころから「魔法使いの本棚」を聞く人は読まないでね。ラジオでも、この本を紹介したいので。
 
 長野ヒデ子さんという方は、JBBYの会などで、何回かお見かけしているのだが、上品で、静かな方で、とてもこの絵本の作者とは思えない。いえ、決してこの本が、上品でないというわけではありませんが・・・・。 すごくエネルギッシュというか、やぎの臭いがするような、『アルプスの少女』のハイジになったような気がする絵本です。あ、ハイジより、ペーターかな。

 町外れの森に、やぎの一家7人が暮らしていた。お父さんやぎは家や家具を作り、お母さんはぐるぐるかき混ぜてチーズを作る。みんな「うめえー うめえー」。兄さんやぎの作るパンも「うめえーうめえー」。姉さんやぎの作るスープもおいしいので、周りのみんながうらやましがるので、お店を開いて「やぎや」と命名。やぎやはお客で大繁盛!お客が揃って「うめえーうめえー」という話。

 それだけの話なのだが、なんだかそれだけではない。スズキコージの絵の中で、働き者のやぎの一家が、いかにも楽しそうに仲良く働いていて、大人の方が絵本に引きこまれてしまう。「うめえーうめえー」なんていうオジンギャグを、子どもと一緒に楽しめる。
これが絵本の魔法なんだな。子どもがいてもいなくても、居間に一冊、おいておきたい絵本。