« 2012年7月 | メイン | 2012年10月 »

2012年8月

2012年8月 6日

Tomie de Paola 編纂・イラスト『Book of Poems』

 8月4日は、例年どおり、中央工学校南が丘倶楽部で軽井沢附属会があり、その立礼席で、茶道部OBの立場でお呈茶をした。テーマは北原白秋の「落葉松」など。
久しぶりに枕元に立ててある『白秋詩集』を取り出してみると、なんと、中学2年のときに購入した、とある。まだ7人目の初恋の人に出会ってもいない頃!(つまり大学1年にして、ようやく1人で外出できるようになり、7人目の初恋で初めてのデート。三省堂書店のパーラーで、アイスクリームを食べたのであった)

 
 詩集は常に、恋と共にあるものだと思っていたのだが、あの頃はあの頃なりに、恋をしているつもりでいたのかもしれない。恋というのは相対的な、つまり相手あってのものだと思うのだが、中学生の頃はただひたすらに相手が好きだというだけで、噂ばかりが広がって、3年間でトータル5分も話をしていやしない!でも、確かに One of My Type であったようで、息子達の父親は「中学生時代の初恋」の人と同じタイプで、顔立ちも体つきも性格も、今考えるとそっくりだった。初恋の君は健康優良児日本一だったし、結婚した相手は健康優良児東京代表と聞いた。やれやれ。

 今日のFM軽井沢は、健康優良児の話ではなく、Tomie de Paola の話だった!
大学の先輩であり、せせらぎ文庫フェスタの第1回から語りきかせをして頂いている金成正子さんが、フェスタの後で送って下さったのだが、子ども向きの、子どもが書いたかのような楽しい詩が、たくさん並んでいる。今、私は珍しく酔っ払って書いているのだけれど、数えてみたら88編くらいある。なかに2つHaikuというのがあって、「青蛙、おまえもペンキぬりたてか」(Gaki)というのと、「見つけたり、かわず(蛙)のへそのなきことを」(Yayu)、と原句と英訳が書いてあった。他のどの詩を見ても、子どもらしいユーモアと優しさに満ちている。訳してみたい、と思うし、読んでいるそばから、適切な訳語が心に浮かぶ。久しぶりに、まとまった仕事がしたくなった。

 でも、人生って、やりたいことより、やらなければならないことのほうが多くて、やらなければならないことを真面目にやっていると、やりたいことがどんどんたまってしまう。私はやりたいことは大抵やって悔いはないけれど、書きたい物語が山のようにたまってしまった。
 まあ、これから死ぬまでにいくつ書けるか、やれるところまでやってみるつもり。

2012年8月 7日

薬丸岳著『死命』文芸春秋刊

 昨日、子どもの絵本を紹介したので、今日は大人向き。この本は著者のサイン入りで、薬丸岳氏の父上が、ポンとせせらぎ文庫に寄贈してくださった。明日、せせらぎ文庫に入れるので、今夜のうちに書いておかないと。

 実は7月半ば頃、日曜のFm軽井沢「魔法使いの本棚」でご紹介するために、文庫に入れる前に、この本を田の詩荘に持ち帰り、放送が終わって2週間、文庫に持っていくのを忘れていた。放送で「この本はせせらぎ文庫の本ですから、借りられます」といったので、この本目当てに文庫を覗いた方もあるだろうと思うと申し訳ない。

 薬丸岳氏は江戸川乱歩賞を受賞したミステリー作家だから、作品はミステリーなのだが、社会制度の狭間にある人々など、ちょっと重いテーマに焦点があてられている。だからといって読みにくいのではなく、ミステリーとして軽く読んでしまって、あとから「ふむ」と描かれている人々の生活が心に残ってしまう。

 が、この『死命』は今までとちょっと違って怖い。この本を戴いた頃、ちょっと体調を崩していたので横になって読んでいたら、そのまま眠ってしまって、物語の続きみたいな怖い夢を見た。ギャーっと叫んで目を覚ましたのが午前2時だったので、そのまま眠れば、また夢の続きを見るから終わりまで読んでしまうことにした。4時頃読み終わったら安心して、窓外に小鳥のさえずりを聞きながら、ぐっすり眠ることが出来た。

 ストーリーの面白さに惹かれて、3センチもある厚い本だが3時間ほどで読めてしまう。本の帯に書かれている案内文によれば、主人公は学生時代に恋人を絞め殺しかけて自分の中にある女性への殺人願望に気付き(この辺で眠ってしまって夢を見た)、自分が余命幾許かと知ってから、その欲望に忠実に生きることを決意する。それが、連続殺人への始まりだった・・・という筋書。

 かつて「意訳」という分野を日本に広めて?分厚い本をどんどん読ませてくれたシドニー・シェルダンの作品と、同じようなスピードで読んでしまった!
まだまだ続く、寝苦しい熱帯夜、こんな本はいかがだろうか?

2012年8月13日

『クク、メソ、エッヘン』 伊藤智之作 JULA出版

 今日の軽井沢は「夏の軽井沢」。人が一杯いて、何となくわさわさしている。華やかな、お祭りのような毎日。イベントも多いし、人との出会いも多く、とても楽しいけれど、常住している者達には、軽井沢らしくない軽井沢。

 と言う今日、FM軽井沢には『クク、メソ、エッヘン』を紹介した。
小さな男の子とおるが、雨の日に一人で留守番をしていると、3人のお化けが出てきて「あそぼー」という。怖くて熱を出したとおるを、3人のお化け、クク、メソ、エッヘンが、親切に看病してくれるたので、すっかり仲良しになった。翌日学校を休んだとおるは、好きなだけ3人のお化けと遊びまわる。遅くまで遊んで、野良犬に襲われるが、それもエッヘンに助けられ、おかあさんにもとおるの気持が分かってもらって、めでたしめでたし、と言ういあらすじ。

 ストーリーのイメージとは、ちょっと違った画風でヨーロッパ的、特にドイツのにおいのする絵だが、子どもは3人のおばけと思い切り遊べて、お母さんにも分かってもらって、なんだかとっても幸せな気分になれる絵本。

 せせらぎ文庫に開館当時から入れてあるのだが、なかなか子どもが見つけてくれないので、ちょっとご紹介。
 『海外子女教育』10月号もこの本にしようかな、と思っている。・・・あ、今日はもう眠くなった。久しぶりの東京の夜。お酒も飲んでないのに、今日はゆったりと眠れそう。おやすみなさい。


クク・メソ・エッヘン (JULAの創作絵本シリーズ)

(ASIN: 4882841045)
伊藤 智之  
JULA出版局 / 通常1~3週間以内に発送