『赤いぼうし』野崎昭弘文 安野光雅絵 童話屋刊

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 いつまでたっても、数学教育学会の学会誌の為の論文?が纏まらなくて、四苦八苦というか、我ながらイライラしている。いつも書いているクリティックとは、同じ絵本を扱っても読む相手が違うので、こちらの視点をを変えなければならない。

 数学の絵本がなぜ、今、大切なのか、石頭の数学者達に理解してもらえるだろうか。いや、彼等は思考が柔軟でないと数学は解けないはずだから、柔らかいのだろうけれど・・・違う柔らかさのような気がする。とにかく、決められたスペースで、彼等に「良い絵本を創ろう!」という気になってもらわなければ。

 今日のFM軽井沢、「魔法使いの本棚」では、この本と『数、いまとむかし』を取り上げたい。
 昨日、せせらぎ文庫で、本棚の整理の合間に『赤いぼうし』を読んでいたのだが、帽子の数が5つになると、もう、私の頭がパニックを起こしそうになる。赤い帽子と白い帽子を自分を含む三人の子どもがかぶせられて、「自分の帽子は見えないけれど、他のこの帽子は見える」という前提で、自分は何色の帽子をかぶせられたかを推定する。
 
 「確率と統計」の問題なのだろうが、数学の先生方は、(安野光雅が小学校で算数を教えていたなんてしらなかった!)設定された前提を絶対のものとして話を進めてゆくが、数学的思考になれない子どもは、余計なことをたくさん考えながら絵本を読む。

 自分のかぶっている帽子は見えないというけれど、こんなつばのある帽子なら、上目遣いにすれば見えるだろう、とか、太郎と花子はぼくの帽子の色はわかっているんだから、教えてくれればいいとか、どうしても考えてしまう。物語のあるもののように集中ができない。

 そう、物語性がないのがいけないのだと思う。『はんぶんちょうだい・・・』のように、なにか物語があれば良い。そう書いてみよう。スペースが足りないかもしれないけど、それは「子どもの本棚」で、毎月訓練しているところだから。

 昨日、せせらぎ文庫では、本の並べ替えと、カバーの取り外しを2,3、冊片付けた。来月から、「新しく入った本」「お薦めの本」を書き出して貼ってみようと思っている。特に大人向けで楽しい本を。