世界の日本人 ジョーク集 早坂隆

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 FM軽井沢の3月11日の「魔法使いの本棚」では、このジョーク集を紹介した。我が家には息子達が買ってジョーク集があちこちにあって、これもいつか誰かが、軽井沢の「田の詩荘」においていったものだが、これまでのジョーク集とは、一味違っている。

 著者の早坂隆はルポライターで、世界のアチコチで暮らしたり歩いたりしているようで、その体験からくる見識を述べた上で、関連したジョークを載せている。従ってそのジョークの背景や人間関係が良く分かり、ジョークそのものもさることながら、前後のコメントが、とても興味深い。
 
 世界の中の日本人が言われているジョーク集といえば、眼鏡をかけてカメラをぶら下げた旅行者は日本人だ、という類だと思いがちだが、もう少しアカデミックなので、中高年の男性にもお薦めしたいし、社会から遠くなりがちの主婦にも読んでほしい。

 『世界の紛争地 ジョーク集』と『世界 反米ジョーク集』を出したところ、「日本人を扱ったジョークを」と言う希望が多かったので書いたという。但し、書かれたのが2005年11月なので、現在とは日本の状況が少し違う。勿論東日本大震災の以前だし、民主党政権の絶望的な政治も始まってなかった。

 この頃の「日本」のイメージは「ハイテクの国、お金持の国」で、パリの画廊に立寄った日本人が、ゴッホやピカソを手当り次第買い込んで「よし、クリスマスカードはこれくらいでいいか」といったような話や、日本製品の不買運動のデモで「Buy American」のプラカードに混ざって、日本人が「Buy America」というプラカードを掲げていた、というような話がつまっている。