『刑事の約束』薬丸岳著 講談社

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 実はずーっと体調が悪くて、文章がかけませんでした。メールとFace Bookで時間を潰していました。それも、5月の連休に坐骨神経痛になり、立っていることも、椅子に座っていることも、歩くこともできなくなって、携帯のメールも異常に時間がかかるようになり、どんどん頭に霞がかかって、どうなることかと思いました。不思議なことに、誰か居ると、なんともないような顔をして、安心させてしまうのですが、一人になると、右半身が痛いので、左を下にして横になり、ひたすらジーっとしていました。

 大雪の時と同様、結局、いろいろな方に助けられて、軽井沢のクリニックに行き、東京に戻ってブロック注射を2種類受けて、少しずつ、体が動き始めました。こうして椅子に座っていると、右の腰から腿にかけて、まだ凝ったような痛みがあるのですが、時々動かせば、腰掛けていることはできます。多分、坐骨神経痛と同時に、肉離れのような状態になっているのではないかと思います。もみほぐしてみると、筋肉がところどころ、コブのように固まっているのがわかります。もう一週間もすれば、痛みは消えてくれると思います。痛み止め?「これだけは飲んでみて!」と、軽井沢のクリニックでも、東京でも言われた痛み止めも、歩けるようになった時点でやめてしまいました。炎症を抑える働きもあったのでしょうが、眠くなると、なんとなく一服盛られているような気がして・・・ミステリーの読み過ぎでしょうか???

 というわけで、出たばかりの、薬丸岳氏の新作をご紹介します。ご尊父の薬丸さんが、せせらぎ文庫に寄贈して下さった本で、紺色の見開きに、銀色のペンでサインが入っています。まだカードも付けていませんが、役得で、一番に読んでしまいました!

 今回は、題名の一編の他短編が4つ。「無縁」「不惑」「被疑者死亡」「終の住処」とありますが、どれも既にお馴染みの、夏目刑事のシリーズ。夏目刑事のひょうひょうとした優しさが、読後感を温かくしています。殺人犯を身内に持つ苦しみを扱ったものが多いが、重いテーマを現実のものとして描きながら、それでも、どこかに人間味のある救いを残してくれています。短編ながら長編のような読み応えのある作品です。

 なんだか具体的な、作品紹介にならないのですが、実は昨日か一昨日、TVでミステリーの犯人を教えるのが犯罪になるか否か、というテーマを取り上げていて、犯人を教えてしまったことに寄って生ずる損害が算出できないので、犯罪が成り立たない、という結論ではあったのですが、作者の立場から言うと、ツイッターなどで、あそこが面白かった、などと書かれるだけでも、せっかく一行一行怖さを畳み込むように書いているのが、何もならなくなってしまう、という意見があって、物語の背景や設定を書くだけでも、作者にとっては大迷惑なのだと、思い知ってしまった!・・・・というわけです。

 体調が悪くても、部屋が散らかるだけで、本を読む時間はhっていないので、またゆっくり書きます。今日からそろそろ元気です。