私が、こんなに雪が好きになったのは、この本のせいかもしれない・・・と思うほど、この一篇の詩の描く雪は美しい。
いつもは白や、灰色や淡青の、白っぽい空を背景に見ている景色が、雪が降ると途端に裏返る。見えるのは白い雪で、その雪を白く見せているのは、いつもより暗い空だ。
たった一篇の詩を、この本は、14枚の厚紙に、ほとんどが白とグレイの濃淡で、ところがとりどりのパステルカラーを使ったページもある、おとぎ話のような絵で飾って仕上げている。
恋人から贈られたい、というより、実は私が、恋人に贈りたかった本。
詩も絵も、古田草一氏が書いていて、巻末に、英文の詩も添えてある。
ゆきがふる・・・・・
ゆきがふる・・・・・
うらがえしにふる
とじこめられたみたい
とじこめられたみたい ーー中略ーー
しずけさが
しんしん しんしん
ふくめんしたぬすっとのように
おりてきて
ぼくのからだをさらってゆく ーー後略ーー