『やきいも と おにぎり』みやにしたつや作 すずき出版

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 明けましておめでとうございます。とっても、ゆったりしたお正月を過ごしています。例年だったら、人に会う予定がなくても着物を着て優雅に過ごすのですが、今年は暮のギリギリに、熱海まで内視鏡検査を受けに行ったりしていたので、なんとなく、お正月気分になりきれず、ブログを開いてみました。

 もっといろいろな方に読んでほしいと思う本はたくさんあります。誰にも話さないうちに、記憶が薄らいで、忘れてしまうのです。昔は良い本を読んだ感激を忘れるようなことはなかったのに。お正月早々愚痴ってもしょうがないので、忘れないうちに、焼き芋の話をご紹介します。

 みやにしたつやの絵は、覚えてしまうと、本屋さんでもすぐ見つかります。ピカソ風というとイメージが違うのですが、動物の横顔に、目が二つ描いてあって、ちっとも不自然でなく、正面から見た動物の表情がわかるのです。あら不思議。

 で、この本の主人公はブタ君、相手役がおおかみ君。狼君が自分の持っている焼芋を、豚君の持っているお握りと取替えて!と言っておいて、お握りをその場で食べ、焼芋を豚君に渡さずに行ってしまったのが事件の始まり。
 その話を聞いたネズミ君は、お握りを食べてしまった狼が、豚の焼芋を取って逃げた、と誤った事実を告げ、それを聞いた兎は、狼が豚をお握りに変えて、そのお握りを食べているうちに焼芋に変わった、と猿に告げる。猿は狸に、豚がお握りを持っていたら狼に変身して、その狼がお握りを食べたら、狼が焼芋になった、と話す。狸はカバに豚がお握りを狼に変え、その狼が豚を食べようとしたら、豚が焼芋になったと言う。その話を聞いたカバが走ってゆくと、丁度、狼が焼芋を食べようとしていたので、「ぶたくんを たべるなー!」といって狼から焼芋を取り上げ、「さあ、ぶたくん、おうちにかえろうね。どうしてやきいもなんかに なっちゃったの」といいながら、豚君の家に着くと、そこにぶたくんが居て、「じゃあ、この やきいもは だれ?」、というお話。

ぼんやりしながら読み聞かせをしていると、聞いている子どもも訳が分からなくなるから、ちゃんと下読みをして、段取りを理解してから、読み聞かせをすること。でも、読んでいて、なんだか楽しくなる本。