せせらぎブログ

2007年の春正式に名前を決めた「国際子ども文庫の会(略称ICBC;International Children's Bunko Circle)」の初仕事として、軽井沢千ヶ滝西区の公民館に「せせらぎ文庫」を開設するお手伝いをしました。せせらぎ文庫の特徴は、子どもと両親と祖父母の3世代が一緒に楽しめる本揃えで、このブログではこれらの本の紹介と心に浮かぶヨシナシゴトをそこはかとなく綴ってゆきたいと思っています。 小林悠紀子

2018年9月 6日

『たぬきのばけた おつきさま』小野かおる絵 鈴木出版

 せせらぎ文庫フェスタも無事に終わり、今年は久しぶりに子どもの参加者も多く、「はなそう会」特に最終日の集まりは、人数も話題も充実していた。
 そのあたりは第14回せせらぎ文庫フェスタ報告書、として後日出すことにして、今日は久しぶりに、絵本の紹介。
 似たようなタイトルのお月様の絵本が、最近同じ鈴木出版から出たが、それを見て、こちらの絵本の方が良いような気がして、取り上げてみた。小野かおるさんの絵本は久しぶりで、不思議なことにこの本を見ていると、小野かおるさんの眼鏡と優しい笑顔が心に浮かんでくる。

 山の上の小さな村の交番のお巡りさんは、動物に親切なので、動物達にも人気がある。ある夜のこと狸が現れて、おらの好きな狸の女の子を助けてあげて、という。母親を亡くした女の子が、泣いてばかりいて話も聞いてくれないのだと言う。狸は月に化けて女の子を慰めたいというので、お巡りさんが女の子をお月見に連れ出すと、お月様から尻尾が生えたりしているものの、見事なお月様。ところがその月の表に、亡くなった女の子の母親が現れ、それが消えると、お巡りさんのお母さんの姿も映し出される。どうやら交番の机の上にあった写真を、狸はちゃんと見ていたらしい。

 9月10月の日本は、とりわけ月が美しい。満月を見ると、ついつい懐かしい面影を、その表に重ねてしまう。

2018年8月 9日

せせらぎ文庫フェスタ そろそろ詳細

 例年より1か月遅くなったのですが、少しは早めに準備できるでしょうか。
今年も14人+のキャストで、彩とりどりのアクティビティで楽しんで頂きます。
メールでお返事を頂いた順に、お知らせしましょう。(敬称略)

詩・岩佐敏子:24日午前午後;「あいさつ」をロールプレイで。
読み聞かせ等・滝本つみき:24,25,26日;紙芝居『たべられたやまんば』『めだらけ』
 絵本『めのまどあけろ』谷川俊太郎作『ふくろうくん』アーノルド・ローベル作
英語の読み聞かせ・グレース宮田:24午後、25午前午後;MrManシリーズ
社会・松井總:24,25,26日午前午後;体操、歴史カルタ、伊能忠敬の地図
理科実験・円谷秀雄:24,25,26;盛りだくさんに‥未定
料理等・圓谷加陽子:24,25,26;折紙、お日様のポップコーン?など未定
お話・久美沙織:24,26;仔犬の話
スペイン語の読聞かせ・渡辺万里:24日,26日;もう本が届いていますって!
歌・コバタケ:24,25,26;面白い発声練習、楽しい歌、踊りも少し?
フランス語の詩・平間立子:何か見つけまーす・・・・とのこと

横須賀桃子、ビリーブラウン・・忙しい二人、まだ連絡が上手くとれません
以上、

2018年7月28日

フェスタのための、蚤の市

 明日、7月29日(日)09:00頃より04:00頃まで、中軽井沢駅前のマルシェで、新古の英語の本を中心に、センスの良いカード、インテリアのための紙ブレード、そして日本語の絵本も、全品¥100~¥500 で売ります。読み聞かせ用CD付きの絵本が¥300等、お買得品(関西流に言うと「お値打ち品」)ばかり!

 実は昨年のフェスタで、奨励金が出たのを良いことに、いろいろ、ほんのちょっと、費用をかけ過ぎたのですが、あとから「奨励金は講師謝礼と本代のみ」という使途からはみ出しているのに気付き、はみ出した分を、やむなく絵本の購入に充てたので、・・・・つまりかけ過ぎた費用が事実上の赤字になり・・・・今年のフェスタの費用が大幅に不足。
 有難いことに、今年も Yasmy International から1000冊あまり、本等の寄贈があり、その中から「せせらぎ文庫」には不要なものを販売することにしたのです。主に幼児用のことば遊びの絵本や、フランス語、韓国語の絵本、重複して何冊も入っていた本など、安く売るのはもったいないのですが、魔女も年々年を取り、すぐ疲れてしまうので。
 
 どうぞ、一刻も早く、沢山の方においで頂きたく、今年のフェスタ、できればこれからのフェスタの基金になるように、本は沢山ありますので、よろしくお願い申し上げます。

2018年7月 6日

今年のせせらぎ文庫フェスタ 予告!

 というチラシを、ここに載せようと思ったのに、例によってうまくいきません。可愛い白アザラシの子どもが二匹、水色の海と空をバックに、つぶらな瞳でこちらを見ている背景なのですが、内容は以下の通りです。
表題は、西区公民館の夏の催事 第14回、せせらぎ文庫フェスタ 予告!!
せせらぎブログ blog.youragency.biz/ ご参照 となっています。何かお気づきでしょうか? ええ、昨年は12回だったのです。でも、『西区のあゆみ』という冊子に照らし合わせ、指を折って、つらつら考えてみると、今年は14回目に当たるのです。どこかで第7回とか第8回あたりを、2年続けてやっているのではないかと思うので、この辺で訂正しておきます。

 開催日 8月24日(金)、25日(土)、26日(日)
 時間  午前の部 10:00 ~ 12:00
     お弁当  12:00 ~ 12:30
     折紙   12:30 ~ 14:15
     午後の部 14:30 ~ 16:30
     はなそう会  24日、26日 12:30 ~ 14:30
     折紙参加、午後の部参加の方で、お弁当300円(お子様のみ)をご希望の方は、     
     事前にお弁当をご予約下さい。
 会場  24(金)、26(日)は軽井沢千ヶ滝西区公民館
     25(土)、は、軽井沢中央公民館(町役場の奥隣)です。
 会費  子ども 1回 300円 大人 1回 500円 はなそう会 800円
     「はなそう会」は、Kハウス特製の軽食、飲物付きですので、なるべく早めに予約して下さい。
     当日予約も、跳び入りも歓迎しますが、その分、他の方々の分量が少なくなるかも。

フェスタで、子ども達と遊んでくださる先生方(はなそう会もご一緒に)
 参加予定(順不同)杉山恵子、滝本つみき、グレース宮田、岩佐敏子、ジニアス円谷秀雄、ポプコ円谷加陽子、マイティ松井總、久美沙織、横須賀桃子、ビリー・ブラウン、渡辺万里、平間立子、コバタケ

 問合せ 荒木真志 090‐9353₋6096 真柄美穂 090‐9349₋0128
     小林悠紀子 090‐4427₋1170 清水浩 080‐6687₋5961

         主催 千ヶ滝西区公民館  共催 国際子ども文庫の会

以上ですので、皆様、万障お繰り合わせの上、お誘い合わせてご来場ください。お待ちしております。

2018年6月25日

今年のフェスタは、8月24、25、26日の金、土、日にしました。

海の日の連休は、長倉神社の御祭りに重なるようになって、子どもの参加者が少なくなってきたからです。軽井沢の小学校は20日頃から新学期ですが、休日でもあり、一方、東京などの子ども達も、別荘を閉めに来ると思うので、今年は、おもいきって、8月末にしてみました。

 内容は例年通り。回を重ねるごとにスタッフ、キャストの気心が知れて仲良くなり、七夕のように、年に一度の逢瀬を楽しむようになりました。

 詳細は2、3日内に掲載致しますので、ご覧下さいますよう、宜しくお願い致します。

2018年5月22日

『さかさかさ』浜野木碧作 鈴木出版

 ああ、回文の絵本ね、上から読んでもさかさかさ、下から読んでもさかさかさ、なんて呑気なことを言いながらページを開いたのだが、違った!「さかさかさ」は逆さまに置いてある傘だから、緑のグラデュエーションのワンゴリした傘が、風に吹かれて坂を転がりさかさかさになる。つまり逆さ傘。ワンゴリって言わない?どこかの方言でしょうか。英語で言えば rouncible ? スペリングは間違っているかもしれない、エドワード・リアの造語で、まるっこい? ワンゴリの方は、まるっこいより肉厚な丸み、と言う感じの、センスの良い子ども傘、ああ、この文の後に、きっとその表紙の絵が付いてくると思うのですが、なにか品物と言うよりも、生き物めいた傘の絵が描かれている。
 この感覚は鋭い。生き物めいた傘、と見抜いた私の眼力か、と言うより勿論、描いた画家の力なのだが、さかさか言っているうちに、傘の柄から芽が出てくる、そして小さな、すぼめた傘の、緑色のスイカズラのような、軽井沢で言うならアズマレイジンソウのような花がたくさんついて、その花が、雲のくしゃみで、一斉に開いて、空中いっぱいに傘の花が舞う。
 鈴木出版の新しいシリーズ、小さな絵本の最新版だが、このシリーズの中でダントツ、私は一番気に入っている。じっとさかさかさを見ている、ピンクのカタツムリもウイヤツ。

2018年5月14日

『ぞうのさんすう』あすなろ書房

 ずいぶん長い間、せせらぎブログにご無沙汰してしまった。その間、色々あったが、東京のお茶の稽古が自宅だけになり、時間的にも精神的にも気楽になった。その代わり、軽井沢でまたボランティアが増えた。増やしてしまった、と言うべきか。学校茶道は裏千家でも推奨しているので、手を抜くわけにいかないし、水曜日が2回空いたわけだから・・・と安易に考えたのが間違えの元。高校生はすぐに色々、思いつくので、対応するのにハアハアいってしまう。でも、孫と同い年の、まるで様子の違う国際高校の子ども達に囲まれるのは楽しい。
 昨日、FM軽井沢の帰りにコメリとつるやで1週間分の買物をして、家に荷物だけ置いて、西区の公民館で彼らに臨時稽古をした。着替える時間もないし、立礼で、臨時だからと洋服のままで行ったら、終わる頃になって「いつもとなんか違うと思ったら洋服なんだ!」と言われた。考えてみたら彼等には、和服でしか会っていなかった。

 そんな慌ただしい毎日の中で出会ったのが、この絵本。伊藤忠財団の助成金で注文した数十冊の中で、岩波書店のだけ入手し難かったらしく、その代わりにと書店から勧められたのが、この本。
 数字アレルギーの私は、無意識のうちに数学関係の本を避けているのかもしれない。若い頃「数に弱いんだから、意識して数学の本を読めよ」と友人に忠告されたので、気を付けてはいるのだが。彼にも先に逝かれてしまった。

 「さんすう」とタイトルにあるように、表紙の絵もソロバンのように物干状の柱の間の4本のコードに、どうやら藁でできているらしい丸い物が・・・。実はこの丸い物は象のうんち。毎日1個ずつウンチをしていた幼い象は、お誕生日が来ると毎日2個ずつウンチをするようになり、毎年1個ずつ増えて、50年目には毎日50個ずつウンチをするようになって、数えることも、ひとつづつ増えてゆくことも、分かるようになっていた。ところが51年目の朝からウンチの数が1個ずつ減り始め、50年目にウンチは0個になる。
始めの50年間に465,375個のうんちをして、残りの50年に465,375個のうんちをして、引算をすると0になる。
「ぞうは しあわせでした。100年 いきてみて、やっと ゼロというものが わかりました。」 そしてウンチをしなくなった象が行くところに向かって、静かに歩み去る。 という哲学的な物語。

 この本に関しては、まだいろいろ書きたいこともあるのだが、ここまで書いただけで、疲れちゃった!
 絵本作家として定評のあるヘルメ・ハイネの復刻版。『おさるのまいにち』でファンになってしまった伊東寛(いとうひろし。数十年前?文庫の集まりで講演してほしい、という口実でお願いしたが、振られてしまった!ファンなのに!)の訳。文章にも、さりげない哀愁があり、大人にも子どもにも読んでほしい本。子どものない家にも、一冊手元に置いてほしい。

2018年2月 7日

『うたうたう』『こねことこねこ』東君平さく・え Kあかつき刊

 ひがしくんぺいさんは、IBBYの東京大会でボランティア委員長を拝命している時に参加して頂き、8月にその国際大会が終わって、12月に急性肺炎で亡くなってしまった。明るく優しい方で、お目にかかって短い間だったのに、忘れられない。「僕が遅れてきたのに笑顔で迎えてくれるなんて、優しい人なんだなあと思いました」と言われて、「優しい人」を演じないでいられない。みんなにその手を使って・・・いるわけではないのに、君平さんがいると、周りの人がみんな優しくなる。ことばの達人、とでもよびたい、大和ことばというのだろうか、常に、ひらがなだけで話しているのに、適切な表現だった。
 亡くなってから『ひとくち童話』を読んで、やたらに周りの人に薦めたくなった。全ての子どもと、その親に、読んでほしいとおもった。

 その君平さんの新しい本が2冊出版された。回文を集めた『こねことこねこ』と『うたうたう』前者はFM軽井沢でとりあげたので、『うたうたう』をとりあげた。見返しを開くと「はじめての さかさことばえほん」と副題がついている。このあたりにも、君平さんの、子どもへの心遣いが見える。
最初のページに、「さかさことば」の説明があって、「うえから よむと 『うた うたう』したからよんでも『うた うたう』という説明から、「ほらね はじまるよ」と、四季にわけた「さかさことば」が始まる。

 編集協力は、西内ミナミさんと本多慶子さん。そう、このお二人のお陰で、君平さんも、木村祐一さんも、せなけいこさんも、ボランティアとして参加して下さったのだった。あまり長いお付き合いだと、誰を誰に紹介してもらったのかも忘れて、みんな仲良し・・・気分になっている。
長く生きていると、良いことが、良い本との出会いが、いっぱいあるな、と思う今日この頃。

 『うたうたう』も『こねことこねこ』も、語彙の豊富な君平さんならではの絵本。絵も、勿論単純な黒白の(この絵本は色がついているけど)線と丸だけに見えるのに、子どもも動物達も表情豊か、何気ないのに、子どもが好きにならずにはいられない画風だと思う。

 今日は、なんだか真面目な絵本紹介!

2018年1月15日

『ゆきのひの おくりもの』ポールフランソワ文 鈴木出版

 絵はゲルダ・ミューラー。私が今手にしているのは、鈴木出版から17年10月に出たばかりの版だが、図書館などで探すとパウロ舎のものが殆どである。長年読み継がれている名作で、この本を手にしたとたんに、新作であるはずがない、昔読んだことがあると、ウェブで調べてしまった。

 ストーリーは:雪の日に食べ物を探しに出た小兎が、大きな人参を2本見つけ、1本でお腹いっぱいになったので、残りの1本を、雪の日にお腹を空かせているに違いない親友の小馬に届けに行く。ところが小馬は自分で雪の中で蕪を見つけてお腹いっぱい食べて帰宅、小兎の置いて行った人参を見つける。戸の外には小兎の足跡。小兎の友情に感謝しながら、自分はお腹がいっぱいなので、お腹を空かせているに違いない羊に、人参を届けに行く。どの友達も自分の餌は雪の中でちゃんと確保していて、留守に友達の届けてくれた人参と雪の中の足跡に感謝して、最後に小鹿が羊の届けた人参を、ぐっすり眠っている小兎の枕元に置いてくる。

 雪に残る動物の足跡は嬉しい。私は雪が降ると入口にチェーンを張ってしまう。郵便屋さんやクロネコさんに申し訳ないとは思うのだが、通路の真ん中を通ってほしくない。丁度チリトリの幅に雪を掻いた、狭っ苦しい通路を通って下さい、と書いた紙をチェーンにぶら下げる。
 隣の隣に違法建築が建ってから、この辺の小動物が少なくなった。リスもキジも、巣を壊されたようだ。まだいくつかの家族は残っているが、各々縄張りを変えたらしい。兎の巣は無くなってしまったようだから、生ごみの穴に、大きめの人参のしっぽを捨てても、持っていく動物が・・・あ、イノシシが食べているかもしれないが、あまり度々はやってこない。

 絵本の話に戻るが、私は、どの動物も、自分で餌を見つけていること、自分のお腹がいっぱいになっていて、友達に人参を分けてあげるところ、が、案外、このお話が、子どもに安心感を与えているのではないかと思う。
自分もお腹が空いているのに友達に分けてあげるお話も、大切なストーリーだと思うし、そういうお話も好きだけれど、そういう道徳的な?「良いお話」ばかり聞かされていると、子どもは、何か良いことをしなければ、と、ストレスが溜まっていくのではないかと気になる。

 特にこの頃のように、読み聞かせが盛んになり、大人に「選ばれた」良いお話ばかり聞かされているから、今、バカみたいにブームになっている意味なく子どもを笑わせる絵本、「ぶーぶー」「ぶりぶり」等という音声だけを文字で並べて読ませるようなバカな本が子どもを喜ばせるようになる。
そして、そうなると、親がその本を我先に買って子どもを笑わせた良い親だと自己満足しているのが、見ていてつらい。

2017年10月13日

『にょき・にょき』しまだ・しほ作 童話屋

 毎月一度は必ず更新、などと言いながら、多分、まるまる1ヶ月以上、ご無沙汰してしまったと思います。実は9月に、外国のお客様80人ほどのお茶会を頼まれ、とても運良く、素晴らしい姉妹がお手伝いを名乗り出てくれて、広間で「これが茶道だ!」という席を受持ってくれたので、私は気楽にいつもの立礼席で、2人の男弟子ともうひとりの女の子、ISAK校の男の子が一人、女の子が一人、というお運びの手伝いを得て、何の苦労もなかったはずなのですが・・・。世の中、色々なことが起こるもので、「お月見」という、これも何の衒いもない自然のテーマを選んだのに、中心になるはずの「月」という銘のお茶杓がいつのまにか姿を消していて、直前にテーマを替えなければなりませんでした。

 掛軸にはISAKの卒業生に「あの月を とってくれよと 泣く子かな」という一茶の句を色紙に書いてもらって使ったので、何かもう一つ俳句か歌にしても良かったのですが、手元にあった茶杓が「老松」で、松をテーマに加えるしかなかったものですから、とっさに、いつも心の中にあった田山花袋の『林の奥』という詩をテーマにしてしまいました。

 君とかつて歩める林を/われはただひとり さまよいゆく/月も 松風も 波の音も/ひとつとして昔に変わらず/ただ変われるは君のなきのみ/恋しき君のあらぬことのみ/されどわが影を君と思えば/我はさらに寂しくもあらず/君のことのみ想いておれば/ひとりもひとりの心地はせじ/月よ 松風よ 波の音よ/我をただひとりとは思うな/哀れなる若者と思うな/おのが傍にはとこしえに/優しき君 ともなえるものを/

 この詩集は、高校生になった時、父から譲られたものです。よく父の書斎に潜り込んで、この本を読んでいたのを知っていたのでしょう。いくつかの詩には傍線が引いてあり、あそらく父はビルマで行政官をしていた時に、母を思ってこの詩を諳んじていたに相違ありません。ちなみにこの本は、母から父へのプレゼントでした。

 というわけで、立礼席の説明と、その日の会記と、この詩の英訳、というハードワークに取組んで、朝の4時頃に寝て、7時に起きて、昼間はボーっと寝たり起きたりで、頭は眠っていて、夜中の12時頃からカキーンと目が冴える、という状況でした。その後、ネットによれば12時間眠り続ける!という強い催眠剤を処方されて(今も飲んでいますが)ようやく、昼間起きていることができるようになりました。でも、本当のことを言うと、昼夜逆転したのは、もう何カ月も前から、TVの夜中のドラマやスーパープレゼンテーション、朝まで生さだや、ネットのゲームで少しずつ、ひっくり返っていたのだと思います。

 というわけで、そのお茶会の前後のFM軽井沢「魔法使いの本棚」は、さらっと済ませていたような気がします。この『にょきにょき』もそのひとつですが、主人公はジャガイモ!芽が出てしまったジャガイモが仲間外れにされて、それでもにょきにょきと芽が伸び続け「死んでやる!」と穴を掘って、自ら生き埋めになったら・・・というお話。にょきにょきと、頭から芽が伸び続け、山を登り谷を下って歩き続けるジャガイモに子ども達は大喜び。大人は大人で、チクッと胸が痛んで、最後にホクッと癒される、小型絵本です。

 今夜もまともな時間に眠ります。おやすみなさい。


たぬきのばけたおつきさま (ひまわりえほんシリーズ)

(ASIN: 4790252280)
西本 鶏介  
鈴木出版 / 在庫あり。